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建物の価値は目減りする ~建物の価値は20年で0円?2割?~

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建てる前から建てた後の話しをしますw

建物は土地と違い、経年劣化します。

建物もモノである以上、新築でも買ったり建てたりした瞬間に中古になります。

よほどインフレなどの事情がない限り、建物の価値は減少の一途を辿ります。

一般的にどんな風にどれくらい価値が目減りするか気になりませんか?

その建物の価値に対して課される税金や保険料があります。

その対策や目安などをお伝えしたいと思います。

この価値の下落について、通常の売買における価値、所有期間中の固定資産税の価値、所得税における価値、相続税における価値について考えていきます。

 

通常の売買における価値

建物も需要と供給で価格が決まります。

売買の場合もやはり需要と供給によって決まります。

参考になるのは、やはり売買実例価格です。

ただ、通常マイホームを売ることになった場合、

木造では22年、鉄筋コンクリート造では47年経過したものは、その価値は0円になってしまいます。

住宅の売買実例価格の場合は建物と土地がセットになっています。

建物が古ければ、つまりは記載されているのはほぼ土地の価格だけということになります。

 

固定資産税の計算における価値

固定資産税は、毎年1月1日時点の土地、建物の所有者に対して、その所有する土地、建物の価格を基に、市区町村が課す税金です。

計算式は次のとおりです。

 

固定資産税=課税標準✕1.4/100

 

課税標準というのが、土地建物の価格(評価額)を基に計算した金額です。

マイホームの敷地である土地の場合は、価格に1/6とか1/3を掛けて低く補正します。

固定資産税の価格の場合、3年ごとに価格の見直しがあります(政策的配慮で3年内にも変更がある時もあります)。

建物を建てた場合、建物の請負代金や買った値段がそのまま固定資産税の価格にはなりません。

屋根や基礎、外壁、柱などに使っている材料の種類や量、設備などに点数をつけて、その点数を基に評価額を決定します。立地や建物のデザインなどの影響は受けません。

建てた瞬間に、おおよそですが、木造の家屋であれば、その価値は最初から50%程度として計算されるようになっています。

例えば、3,000万円で建てた家は、半額の1,500万円として固定資産税の価格が付けられます。

私見ですが、市区町村における家の原価がこれくらいだろうという判断だと思います。

 

その後、先程の3年毎の価格の見直しを行います。

建物の場合は経年劣化を考慮して減少していきます。

ただし、木造の建物であれば、20年ちょっとで当初の固定資産税の価格の20%程度からは下落しません

ということは、50年でも100年でも、建物が存在する限り、建物の価格は維持され、固定資産税はかかり続けるということです。

先程の例によると、1,500万円の20%である300万円から評価額が下がらず、どんなに古くなろうとも固定資産税が毎年4.2万円は必ず発生することになります。

つまり、固定資産税は今後ずっと必要になるランニングコストと言えます。

では、取り壊して更地にしようとすると、昨今の空き家問題について、建物が存在していることで

土地の課税標準が1/3、又は1/6となる特例のせいで、建物を取り壊すと土地の固定資産税が上がってしまうということになってしまいます。

固定資産税については、注意点、得する点などを別の機会で書きます。

 

所得税における価値

所得税における価値については、ここでは建物を売った時の原価としての価値のこととします。

不動産を売った場合、大まかに言うと、売値から買値(原価)を引いた利益に対して所得税が課されます。

土地の場合、買値がわかれば、その買値が原価になります。

建物の場合は、やはり経年劣化があるので、請負金額や購入金額をそのまま原価として使えず、使用した分だけ原価を減らします。

では、その経年劣化の計算はどのようにするか?

法定耐用年数という理論上の「使える期間」が決められており、

その年数の間で価値がなくなるように経年劣化分を計算していきます。

国税庁のホームページにおいて、建物の耐用年数が確認できます。

 

国税庁|耐用年数(建物・建物附属設備)

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なお、木造の住宅用の建物は22年となっています。

この22年に、住宅用のマイホームであれば「1.5」を掛けて計算した33年が所得税における原価計算上の「使える期間」となります。

よってこの33年という年数の間、毎年価値が減っていくことになります。

なお、細かいですが、計算上は10%の残存価額(価値)があることとして計算します。

なお、3,000万円で購入し、10年経過したマイホームを売ったときの原価は、次のとおりです。

3,000万円-3,000万円✕(1-10%)✕10年/33年≒21,800,000円

よって、所得税における価値は、10年後は約2,180万円ということになります。

なお、先程の固定資産税の評価と同じく、所得税でも価値の下限が定められています。

所得税の場合は価格の5%まで下がり、そこからはずっと同じです。

 

相続税における価値

マイホームを持っている方が亡くなった場合には、相続税が課されます。

持っている家もやはり相続財産になり、相続税の計算の対象になります。

その場合のマイホームの価値はいくらになるのでしょうか?

相続税の場合、現状では、その価格は固定資産税の価格と同じになります。

ここからは余談となります。

相続税の節税対策として、よく財産を現金から不動産へシフトすることが検討されます。

これは、先程の固定資産税の計算における価値のところで説明したように、買った瞬間からその価値が50%程度に下がるという特性を利用したものです。

相続対策として、子供に現金を残すより、その現金でマイホームを建てて相続させてあげたほうが、相続税の節税になります。

節税対策として高層階のマンションを買う」なんていうのも同じ考え方です。

本題から外れますので、詳しくは書きませんが、税理士として日々こうしたことを検討・提案しています。

 

まとめ

建物の価値の計算(価格の下落の計算)は、その目的によって何種類も存在します。

また、今回の建物の減価の話しはあくまでマイホームのことで、これが賃貸アパートなどの場合は、少し違いがあります。

更に、戸建住宅に比べ、マンションの耐用年数は長いため、価値の下落はゆっくりしたペースになるなど、建物の種類により計算は変わってきます。

基本的にマイホームは、買う時に高い、売る時に安い、固定資産税はずっとかかるモノであるということを認識する必要があります。

マイホームを買った時に浮かれてしまい、原価とコストを意識しないで、あとで想定外だったと後悔しないようにしましょう。

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